日本石材産業協会、墓石部会主催の施工技術講習会に参加しました。
講師は全国石材施工協会の井比代表理事がされました。
場所は静岡県の石材問屋、採掘も行なっている(株)イシフク様にて。
井比さんの会社は年間1000件以上のお墓所の施工を行なっていて、石材施工に関するコンプライアンスを大事にされています。
例えば石材施工について、施工協会では施工基準書を設けております。
基礎:型枠から使用する砕石の種類厚み、鉄筋の種類、コンクリ強度、養生の仕方
建て込み工事:事前準備、接着剤、目地剤、固定金具、組み立て、完成時、その他
付帯工事:土葬堀、再建立工事、クリーニング、その他
弊社でも作成する必要を感じました。
その後、基礎の施工、建て込み工事の流れを写真を使い確認しました。
中でも接着剤の説明が勉強になりました。コーキングで上下の石を接着するのですが、熊本地震の強さに耐えられる接着剤の塗布の仕方を学びました。地震に耐える強さは剥離接着強度(上下に働く力)とせん断接着強度(横にずれる力)があり、熊本地震は1尺角の和型で重量1t、加速度1580galを乗じて15800Nの力となります。この数字を上回る接着強度にするためにどのような塗布が必要か計算すると、
目地厚3mm、塗布数4箇所、接着面積は直径35ミリの場合、計算式は35*35*3.14*4=15386㎟となり、
剥離接着強度15386㎟*1.23N/㎟=18925N
せん断接着強度15386㎟*2.12N/㎟=32618N
いずれも上回ることになります。目地幅は3mm以上必要とするのです。またモルタルと併用しない(アルカリ成分が劣化させる)、灯籠の接着も可(上下に蓋を作ることによって)など、技も教わりました。また墓石工事に必要な資格一覧や、墓じまいで処理される石の産業廃棄物の処理の方法として、下請けの場合は必ずマニフェスト(産業廃棄物管理票)が必要になる事、県をまたいで搬出する場合は搬入処分協定書が必要となる、産業廃棄物収集運搬業許可証も各都道府県ごとに必要となります。このような内容を詳しく教えて頂きました。
処分場とのマニフェスト契約、産廃収集運搬業許可証の取得は弊社でも急務と感じました。
続けて、アンカー施工技術講習会がありました。講師は藤栄株式会社様で、補助金具の使い方を教わりました。ドリルビットで石に穴を開け、アンカーという金具を差込み、L字型の金具で石と石を接着する施工方法です。なぜアンカーが効くのか、ドリルの径の確認、深さの確認、穴底に粉を残さない確認、アンカーの挿入深さ、トルクレンチでの強さの確認など写真をもとに説明を受け、実地講習に移動しました。
穴の開け方、穴の径の違いでどれだけ強度が変わるかの実験、
実際にやってみて、今までのやり方では穴の深さが足りないと強度が出ないと気づきました。
他の受講者との意見交換では補助金物と接着剤の2つの併用で効果が発揮されるとの結論に至りました。
その後は静岡駅近くで懇親会があり、ワサビをすり下ろして刺身と日本酒を頂きました。